書籍・雑誌

私の好きな映画たち(映画や物語への感情移入編)

何度か書いていますが、私は感情移入の激しい人間で、私は涙腺の極端に緩い人間で、普段人が泣かないようなところでも泣いてしまうし、普段人が腹を立てないようなところで大いに怒ってします人です。
前回紹介の「ALWAYS  三丁目の夕日編」(2005年 山崎 貴監督)ではほぼ泣きっぱなし状態でした。最初の一平君が模型飛行機を飛ばすシーンでもう「しまった」と思ったのが最後でした。六ちゃんを見ている眼がもう一平君の目線になっていたし、堤真一さんの演じる鈴木オートの社長が六ちゃんに謝るところは鈴木オートの社長の目線になっていました。なんか登場人物が直ぐに憑依しちゃうんです。

中国史講座で書いた「砲艦サンパブロ」(1966年 ロバート・ワイズ監督)(戦艦ポチョムキンじゃないですよ、富士店長!)では完全にフレンチーになりきってメイリーを愛していましたもん(笑)

極めつけは蟻塚亮二先生の「うつ病を体験した精神科医の処方箋」のような本を読んだときにも
「…『努力して正当に報われる社会』でないとうつ病は治りにくい。もっと言うと、うつ病患者は成功体験に飢えており、社会が屈折して『正直者が馬鹿をみたり』、『努力しても報われない』社会になるとうつ病は治る糸口を失う。」
と読んだだけで涙腺が開いてきてしまいます。
更に「うつ病の多発と自殺者の増加、『ニート』と呼ばれる若者の増加などの背景には、硬直した、『努力しても報われない』社会の流れがある。」と読むともう涙腺全開状態です。
電車の中だと大変です(笑)

何ででしょうかね、いつも怒ったり泣いたりしているのに、いつも反省して謝っているようなこういう性質のこういう人間です。しょうがない50歳でした。

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私的中国史講座~第12回~

漢の武帝時代のことを適当に

中華民国からど~んと遡って漢の武帝時代のこと。
第3回でさらっと流しましたが、この時期が漢の絶好調の時代です。
まあいわば江戸時代の元禄時代、みたいな物ですか。

前述のように有名な司馬遷が史記を著したのもこの時代で、史書というのはここからはじまり、そして同じような紀伝体で史書は書き続けられます。簡単に言うと通史を「紀」で、人物を「伝」で書くというやり方です。今でも「なんとか列伝」というのがあるでしょう。人物をあれこれ挙げて批評するやり方。あれは司馬遷さんが始めたのですよ。

余談ですが元の時代に「十八史略」というそれまでの18の史書の解説本みたいなのを曾先之という人が書いたんですが、それを現代の作家「陳 舜臣」が「小説十八史略」という形で小説化されています。中国の通史を勉強するためには、この本は欠かせません。ご興味のおありの方はぜひご一読を。(まあ、これも私のネタ本の一つで読まれると困っちゃうところもあるんですが)

この陳 舜臣さん司馬遼太郎さんなんかと同じ大阪外国語大学のご出身で、確か司馬遼太郎さんの1年先輩でいらっしゃったはずです。作風はかなり違いますがお二人とも優れた作家でいらっしゃいます。(司馬さんはもうお亡くなりですが)

随分横道にそれましたが、まあ、皇帝の力は絶大で「封禅」と言う儀式をやったらしいのですが、これは紛れも無い大皇帝だけが出来るという儀式で、始皇帝と漢の武帝しかやっていないらしい。どういうものなのか今はわからないのですが、神に対して祈りをささげる的な事だったのでしょうか?始皇帝にしろ武帝にしろそれを行うという政治的な効果を狙ってのことだから、ことさら詮索してもしようが無いような類のことだろうと思います。

諸星大二郎という漫画家は中国物を書くのが好きな作家ですが、この「封禅」についてもかなり興味を持っているようで、時々この時代のことを書くときに登場させます。
諸星大二郎の「無面目」というのもこの時代を描いた作品です。
基本的には荘子の中に出てくる説話の「混沌」の話を漢の武帝の時代に持ってきて大きく膨らませた話で、諸星大二郎作品の傑作の一つです。

武帝周辺の話ですので、その時代を映す多彩な人物が登場します。
無面目の主人公は「混沌」=「欒大」(らんだい)という方士(まあよく言えば超能力者、普通に言えば手品師、悪く言えば詐欺師みたいなものです)なのですが、私が好きなのはこの物語の案内役(作家はトリックスターという言い方をしていますが)東方朔という人物です。

この人地方で手習いの先生(塾の先生)をしていたのですが、文章でいかに自分がすごいかって言うことを、朝廷に送って、取り立てられてお役人になる人なのですが…。

前出の「捜神記」にもこの人の逸話が載っていますし、「列仙伝」という書物にもその逸話が載せられています。もちろん正史の「漢書」にもその列伝のある人物ですが。まあ、武帝の周辺に居た数多くの相談役兼おどけたピエロ役的な人だったんでしょうね。

「列仙伝」には頭巾をおいたままどこかへ行ってしまい仙人になったと書いてありますが。
「捜神記」では、武帝の行幸中に化け物が現れてそれを酒をかけるだけで退治した。なんていう説話が書かれています。

この、「無面目」と言う話でも、武帝の相談役をしながら時々仙界に行き仙人と会話するという役を演じています。そして途中で尸解仙となるのですが…。

どうも、仙人にも位があって天仙、地仙、尸解仙と言うそうですが、尸とは生と死の中間という意味なので、まあ仙人では一番下のランクなんでしょうね。
(まえにキョンシーってはやったの知りませんか。キョンシー=僵屍です。この屍の元の字が「尸」なんです。なんとなくイメージが解るでしょ。死んでいるんだけれども動いてくるゾンビ=僵屍のイメージです。だから死と生の中間に位置することをが「尸」の概念のようです。)
武帝の時代を知りたかったら先ずこの漫画を読むことをお勧めします。

前回がかなりシアリアスな内容だったので今回は軽めにこの辺で。

次回はまた何が登場するかわかりません。

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銀英伝もう一度

「銀河英雄伝説」がなぜ人々に支持されるのかなどということを考えていました。
その一つには多彩でリアルな人物像が生き生きと描かれているからでしょう。

極めて優れた用兵家として描かれる自由惑星同盟のヤン・ウエンリーと銀河帝国のライハルト・フォン・ローエングラムを筆頭にして、その各々に連なる人物たち。それが実に生き生きと描かれている点でしょう。
ヤン・ウエンリーとライハルトは常にお互いを意識し尊敬すらしつつ、敵として戦いその戦略や戦術の中でしか語り合うことを許されない関係です。
ヤンは常にその後輩に軍事独裁を恐れる自由惑星同盟政府の妨害を受けつつ、ラインハルト門閥貴族らに行く手を阻まれつつ、各々違う自分の信ずるもののために、その地位とはかかわりなく常に前線で戦い続けるのです。
そこには常に、その二人のことを信じてヤンには「伊達や酔狂での革命」を行う連中がラインハルトのもとには、「矜持にかけて黄金獅子死守」しようする将帥たちが集まり、お祭り騒ぎを始めるのです。

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その二人ですがバーミリオン会戦後ただ一度だけ直に会見するのですがその中の一部です。
ヤンはラインハルトに「嫌いな奴はいないのか」と聞かれ
「私がきらいなのは、自分だけは安全な場所に隠れて戦争を賛美し、愛国心を強調し他人を戦場にかりたてて後方で安楽な生活を送るような輩です。こういう連中と同じ旗のもとにいるのは、耐え難い苦痛です。」
またヤン・ウエンリーは
「あなたはちがう。つねに陣頭に立っておいでです。失礼な申し上げようながら、感歎を禁じえません。」
ラインハルトはそれに対し
「なるほど、その点だけは私を認めてくれるのだな。素直に喜んでおこう」
と答えます。
最前線で尊敬される指揮官は、常に最前線に出ている最高指揮官なのだです。「銀河英雄伝説」がずっと愛され続けているもう理由の一つは、「武侠小説」と同じで、後ろで旗を振る奴らを絶対に許さないという点にあると思います。

私を支配している「株主の方々がは」顔も何も分からないし誰なのかを知らない私は怨嗟の声を上げる方法を知りません。経済は軍隊ではないですから、私が考えている以上に複雑に出来ていて、そんな人たちは存在しないのかもしれません。しかし、私の知っている「指揮官」たちは決して前線のことを知らないのは確かです。そして前線で指揮しているようには見えませんが、それは私の目が曇っているからなのでしょうか?


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「墨攻」が映画になるって!!

とあるブログ(劉徳華=アンディー・ラウさんのファンの方のブログ)をパラパラと見ていますと、「墨攻」が映画化されるとの情報があるではないですか!あの酒見賢一の「墨攻」が!
早速リンクを辿って見ていきますと「伝説のコミック完全映画化!10万人の敵にたった1人で挑んだ男」ですと!伝説のコミック完全映画化!?あれは「伝説のコミック」なんじゃなくて酒見賢一の「伝説の小説」なんですよ!
主演のアンディー・ラウはいいですよ。「LOVERS」や「インファナル・アフェア」で名演した、香港の名優だと思います。だから「革離」をきっとちゃんとやるでしょうし見ごたえもあるでしょう。しかし許せないのは原作を「コミック」としたところです。

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もう一度言います。「伝説のコミック」なんじゃなくて酒見賢一の「伝説の小説」なんですって。コミック版と原作版の違いは私のメルマガに詳しく書いていますのでお読みください。

まんが談義に夜も更けて #9「墨攻」

原則的にまんがのことはメルマガで映画のことはブログでって決めて始めたんですが、その禁を少し破ってしましました。
でもこの映画「墨攻」はきっと見に行くでしょう。前売り券まで買って公開日に。
メルマガにも書きましたが、「市川崑」の「火の鳥」のように(市川崑でさえこんな大失敗を犯すのです)、またTVドラマ「水滸伝」(これも横山光輝が原作になっていましたし、なんと及時雨・宋江ではなく豹子頭・林冲が主人公になっていて、何ともひどい出来でした)のようにならなければいいのですが…。

まさか、「革離」ではなく「梁適」が主人公なんて話になりはしないでしょうね。(まさか「薛併」が主人公なんて事はないでしょうけど…でも何があるか分からないぞ…宋江ではなく林冲を主人公にする人間が世の中にいるのだから)
配役的には期待をしましょう。香港を代表する名優「劉徳華」(=アンディー・ラウ、きっと革離役でしょう)と韓国を代表する名優「安聖基」(=アン・ソンギきっと巷淹中役でしょう)が出ているみたいだし。
でも、黒澤明の「七人の侍」までとは言わないまでもまともな鑑賞に堪えうる作品になっていなかったらまた映画館の前で「金返せ!!!」と叫びますよ。


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「九陽神功」って何ですか?

周星馳(チャウ・シンチー)は好きだなー。「食神」(1996)「少林サッカー」(2001)「カンフーハッスル」(2004)の3作しか見ていませんけれども。
特に「カンフーハッスル」はおもしろい。まあ、ちょっと変わった武侠映画と言ってもいいと思います。

舞台は現代の中国のようですが、子供の頃行商人?から買った武術の奥義書で修行するのですが、結局どうしようもないチンピラになって…。ネタバレはしませんがまるである意味「ドラゴンボール」みたいな映画です。それも周星馳独特のあの味付けで。

2 この二人は貧民街のアパートの経営者なんですが、実は武術の達人で左の女性は「小龍女」右が「楊過」という名前なのですよ!!これは金庸の「射鵰英雄伝」シリーズ第2作目の「神鵰剣侠」(原題「神鵰剣侶」)の主人公と同じと言うことで。まさかあの「小龍女」と「楊過」の成れの果てがこのアパート経営者なの?周星馳一流のしゃれっ気なんでしょうね。
まあ、まさに達人同士の戦いが繰り広げられるのですが。

百の言葉を並べても面白さは通じないでしょうから、ご覧になっていない方は、ほんとに一度観てみてください。

「少林サッカー」がいいと思った人には絶対お勧めです。周星馳自身武術の心得があるのだと思いますが、CGや ワイアーアクションを駆使した映像は圧巻です。

でも、その前に「射鵰英雄伝」シリーズを読んでおくことをお勧めします。読んでいないといくつかのシーンの面白さがわからないでしょうから。「小龍女」と「楊過」のシーンを含めて。

Photo_6 最後に行商人が、女の子に売りつけるようとする「九陽神功」と書かれた書物は多分「射鵰英雄伝」の「九陰真経」か、シリーズ第3作目「倚天屠龍記」の「九陽真経」をもじったものでしょう、

一陽指」は「射鵰英雄伝」の南帝こと一灯大師の必殺技。

「降龍十八掌」は「射鵰英雄伝」で北丐こと洪七公が郭靖に伝えた必殺技なんですよ。

(あとの二つは良く知りませんが)

中国圏ではこの小説はベストセラーなので、自然にこのシーンでは爆笑が起こったでしょうけど。日本では余り知られていませんので、解説しておきました。こんなことを全編にちりばめている周星馳のしゃれっ気が実は大好きなんです。

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[丐」この字が読めますか?

「丐」は「かい」と読み、意味は「乞」とほとんど同じのようです。
この「丐」の字が分からないと「東邪西毒北丐南帝」というのを読めませんものね。
ここまで読んで何のことだか分かった方は、武侠小説を少しはかじった方か、もしくは華流にはまった挙句歴史ドラマにまで手を出してしまった方のどちらかでしょうね。
「射鵰英雄伝」のことは以前にも少し書きましたが、武侠小説の大家「金庸」の代表作です。
舞台は南宋末、北はすでに金の支配下にあり、モンゴルではチンギスハンの蒙古統一が進んでいるという時代背景を縦軸に「九陰真経」という武術の奥義書を奪い合おうとする人々の争いを横軸にして、その中を主人公の郭靖と黄蓉出会い成長し恋をする…正に武侠小説の王道というにふさわしいものです。
「東邪西毒北丐南帝」(とうじゃせいどくほっかいなんてい)は「射鵰英雄伝」を彩る超人的な武芸の達人です。北丐こと洪七公は主人公の郭靖と黄蓉の師匠、東邪こと黄薬師は黄蓉のお父さんなんですが。
3 まあ、内容は小説を読むなりDVDを見るなり(リー・ヤーポン=郭靖とジョウ・シュン=黄蓉のがかなり原作に忠実で面白いですよ)で楽しんでください。小説は文庫で全5巻、DVD11巻、全42話の大長編です。
数あるキャラクターの中で特に頼りになる師匠北丐こと洪七公やとぼけた達人老頑童こと周伯通が特にお気に入りです。
まあ、今回はご紹介だけにとどめておきます。

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豚に恋する男

「バムセ」って知ってますか?「ロッタちゃんの愛する豚のぬいぐるみ」と言ってもわかる人には分かるし、分からない人には分からないでしょう。
映画「ロッタちゃん はじめてのおつかい」で見たぬいぐるみ「バムセ」が気に入りとうとう一番小型のものを購入してしまいました。いつもパソコンラックのプリンターの隣に居て、不機嫌なロッタちゃんのお友達の「バムセ」は私を癒してくれています。

Photo_2 (中年男性にしてはかなり恥ずかしい行為でしたが)ネットで調べたら「ロッタちゃん」シリーズの原作者リンドグレーンさんがお亡くなりになり。このぬいぐるみも製造中止とか…さびしいかぎりです。

調べるとスウェーデンの児童文学者リンドグレーンさんは「長くつ下のピッピ」や「名探偵カッレくん」の作者でもあるらしく、それらの作品を読んで育った私は、リンドグレーンさんそのものが好きだったのかもしれません。もう一度それらの作品を読み返してみようと今思っています。
タバコ吸いの私の「バムセ」はすぐに茶ばんでしまいます。
また、娘にお風呂に入れてもらわなくては…。

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カッコいいってわかるかい?

大塚まさじの曲じゃありませんよ。(それは「男らしいってわかるかい」やろと、ツッコミが入る…それにしてもネタが古いなあ年齢が完全にばれてしまう。)

武田泰淳の「十三妹(シイサンメイ)」の主人公何玉鳳まさにカッコいいの名に値するのでは。言葉での表現は難しいけれども「グリーンディスティニー」のミシェル・ヨーいや年齢的にはチャン・ツィイー  かな?「チェオクの剣」のハ・ジウォンを想像して頂ければいかと思います。

「児女英雄伝」(清代)と「三侠五義」(宋代)をごちゃ混ぜにして煮て焼いた感じの小説なのですが。しかし、ネタ本の「児女英雄伝」にしても「三侠五義」にしても現代人から言わせるとエンターテインメント性に欠けるといわざるを得ないものですが。(もっともネタ本を読もうと思っても、古本屋か図書館にしか置いてない中国古典文学大系で読むしかないのですが)武田泰淳さんはその二つを混ぜ合わせることで現代のエンターテインメントとして変身させたのですよ。

主人公の何玉鳳は、美人で、武芸の達人で、やたらと秘密の行動が多く、身が軽く、神出鬼没という武侠小説の女主人公の典型のような人なのです。

安家の第2夫人たる彼女にまつわる決闘あり、謀略あり、ついにはは夫を「探花」(科挙試験の第3位合格だが才貌兼備の者がなるとされる)にまでしてしまう…。

夫である安公子を愛し寄り添いながらも、第1婦人の張金鳳とも仲が良いという、現代では考えにくい設定なのですが…これも有りでしょう。

どうも映像化されていないようなのでどこかの映画プロジューサーの方ごらんになっていたらぜひ、ハ・ジウォンさん主演で映画化を!!

それと、中公文庫版の表紙をご覧ください。やたらとカッコいい彼女の絵がありますから!!

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